本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

感染症は世界史を動かす

 

2020年2月、中国に端を発する新型コロナウイルスの大流行は、中国だけで2000人以上の死者、日本国内でも11人の死者を出しています。(2020/3/1時点)

加えて、政府による大規模イベントや休校や時差出勤等の要請がありました。これにより、日本社会のあらゆる側面が影響を受けています。私の長女の通う幼稚園も、2020/3/2から2週間の予定で休園となりました。また、私も2020/3/2週から、特に打ち合わせ等のない日を中心に在宅勤務を開始する予定です。

このような社会情勢不安のせいなのか、スーパーやドラッグストアではなぜかトイレットペーパーやティッシュの売り切れが続出する状況であることを、私自身のための記録として残しておきます。

さて本書は、鳥インフルエンザの突然変異による新型インフルエンザの大流行が懸念された2006年に出版されました。本書のタイトルは『感染症は世界史を動かす』ですが、当時の私は、感染症そのものの医学的な内容ではなく、ただの歴史好きとして世界史のほうに関心がありました。面白く読んだことだけは覚えています。

そして今回、十数年ぶりに本書を再読しました。その感想を以下に記録します。

Good point

  • 説得力が高い。その理由は、事実ベースで記述に無駄がなく、情報量が多いからです。著者は、過去に大流行し、世界史の教科書にも登場するペスト(黒死病)や梅毒を取り上げます。それらがどのような症状で、どのような理由で感染が拡大したかが、当時の記録やのちに描かれた絵画などによって具体的に解説されます。素人が理解できないような内容はありません。これが高評価の理由です。