本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

薬菜飯店

 

感想

薬菜飯店

表題作。グロもしくはスカトロまみれなのに、なぜか自分の身体がデトックスされたようなすっきりした気分にシンクロしてしまう、まるで読む薬である。最後にどんでん返しで痛い目に遭うこともないので、安心してツツイワールドに吸い込まれてゆける。

イチゴの日

2021年3月、東京五輪の責任者である電通・佐々木氏が「渡辺直美をブタ=オリンピッグ」との行き過ぎた冗談で批判を受けた。本作を読みながら、この件を思い出した。いじめのきっかけは、ちょっとした悪ノリだったりするものである。

秒読み

核戦争の危機から一転、10代半ばの人生を上手くやり直す話への、この飛躍が凄い。ほとんど別物じゃないか。

ヨッパ谷への降下

ヨッパグモという乳白色の小さな生物の巣と、朱女という名の異常な感受性を持った女性の話。その朱女と暮らす「私」は、何者か不明であり、またその二人の会話は終盤まで会話として成立しておらず、非常に気持ちが悪かった。白色が強調された作品であり、「不思議な味わい」と言われればそうだが、文学センスの無い私は率直に言って「よくわからん」という感想のみである。

偽魔王

血と内臓と小便と大便が飛び散る、お得意のスプラッターもの。これらがなければ『世にも奇妙な物語』風の面白い短編なのに、逆に味付けが個性的すぎてちょっと参ってしまった。