本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

「対テロ戦争」とイスラム世界

 

911の後、あまた発刊されたイスラーム関連書籍の一つと思われる。2002年当時40歳前後の中堅研究者の論文を集めたもの。イスラームに対する無知・偏見・曲解に基づく安易な批判を正すために、岩波書店が企画・出版したのだろう。

例によって、重要と思われる箇所はレポートパッドに書き写して読んだが、今回はいまいち万年筆が進まなかった。特に、第4章(酒井啓子)と、第5章(臼杵陽)の文章は癖が強すぎて、読むのも辛かった。最後はアメリカの帝国主義を批判して締める、安定の岩波書店であるが、これは批判や揶揄ではない。911から20年経った今、アメリカの外交政策がおそらくは正しくなかった、最善でなかったと私も思うから。

今回の読書では全体的に得るものが少なかったが、決して本書のクオリティが低いわけではなく、ただ私の期待と好みに合わなかっただけと捉えている。