本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

嘘をもうひとつだけ

 

加賀が登場する短編集。単行本で読んだかと思うが、数年前に売ってしまって手元になく、読めなくて残念に思っていた。お盆に行ったブックオフで目に入ったのでぱらぱらと読んでみたら、全く記憶にないし、120円だし、これはいい機会と思い、買った。

最初の短編はバレエが題材。娘たちがバレエを習っているので、バーレッスンやトウシューズをありありとイメージできる。昔読んだときにくらべて、自分の理解度が格段に高まったのを感じた。人生経験によって読書体験が変わることもあるんだなぁ。いわゆる倒叙モノで、読者は加賀のキレを目の当たりにすることになる。その切れ味は古畑任三郎もかくやだ。

全5篇、すべてが珠玉、傑作揃い。改めてそう確信した。短編集なのでそれほど注目されていないが、加賀恭一郎シリーズの中でも屈指の完成度だとおれは思う。これが500円(税別)とは、破格である。