マスカレード・ナイト (集英社文庫) 作者:東野 圭吾 集英社 Amazon 久しぶりの東野圭吾である。大晦日の夜、盛大に開催される仮装パーティを前に、警察へ予告状が届くところから事件は始まる。なんだか、踊る大捜査線のようである。いや、踊る大捜査線が完全…

ウクライナ戦争 (ちくま新書) 作者:小泉悠 筑摩書房 Amazon テレビにYouTubeに引っ張りだこ、今年の顔と言っても過言ではない、小泉先生による書き下ろし。この方、お話だけでなく文章も巧い。既存の著書を水で薄めたような時勢解説が溢れる中、本書の濃密さ…

1位 十三機兵防衛圏 十三機兵防衛圏 - Switch アトラス Amazon 個性的で愛すべき高校生たちの群像劇。クリアしてから半年くらい経って、さすがに名前はほとんど忘れてしまったけれど、あれだけキャラがあってイライラすることが全然なかったのは凄い。音楽も…

「対テロ戦争」とイスラム世界 (岩波新書) 岩波書店 Amazon 911の後、あまた発刊されたイスラーム関連書籍の一つと思われる。2002年当時40歳前後の中堅研究者の論文を集めたもの。イスラームに対する無知・偏見・曲解に基づく安易な批判を正すために、岩波書…

2022/12/3 13:00 ワクチン接種 初めて注射が痛かった 発熱、頭痛などの強い副反応は無し 左腕を上げると痛い 若干の気持ち悪さ 今回も軽い副反応で済んだ。

「アラブの心臓」に何が起きているのか――現代中東の実像 作者:青山 弘之,横田 貴之,髙岡 豊,山尾 大,末近 浩太,吉川 卓郎,錦田 愛子 岩波書店 Amazon これまで、イスラームそのもの、あるいは中東、中央アジアの歴史の書籍を読み込んできた。もちろんまだ読…

UP plus 習近平の中国 東京大学出版会 Amazon 2,400円＋税と少し強気な価格設定ではあったが、信頼できる研究者の解説を読めることに感謝し丸善で購入した。 中国は人権よりも主権が優先する、欧米の指摘は中国にとっては中傷である、などハッとさせられる指…

変わるイスラーム 〔源流・進展・未来〕 作者:レザー アスラン 藤原書店 Amazon 分厚い本を読んでみたくて購入した。著者はイラン出身の学者さん。1972年生まれなので、私とは一回り違うのだが、これだけの分量を30そこそこで書き上げる情熱は、本当に凄い。…

イスラーム世界の二千年―文明の十字路 中東全史 作者:バーナード ルイス 草思社 Amazon きっかけ 一つは、ここ最近、イスラーム史ばかり勉強してきてそれなりに基礎知識が身に付いたつもりでいるので、今の自分の理解度を読書を通じて試験してみたくなったか…

西アジア〈下〉(地域からの世界史 8) 作者:雄三, 永田,博, 加藤 朝日新聞 Amazon オスマン帝国がなぜ滅亡したか？これは私が何年も前から抱き続ける素朴な疑問であるが、その答えには未だ到達していない。そこで、オスマン帝国の歴史を概観しできる書物を探…

最近、YouTubeのサムネを見ていると、しゃくに触るという、無性にイライラしてしまう。 原因は、視聴回数稼ぎのための露骨な演出だ。例えば、 ますますサムネが文字で埋め尽くされている ヤバすぎる、すごすぎたの連発 サムネ画像が盛ってある 加えて、見た…

初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ) 作者:北原尚彦 中央公論新社 Amazon 私は、創元推理文庫（深町眞理子訳）版で原作（シャーロキアンは正典と呼ぶらしい）を読んだ。が、一つ一つの作品のあらすじをほとんど覚えていない。そこで、正典を…

金沢は、約10年ぶり、3回目の訪問（と記憶している）。以下、感想を留めておく。 金沢へは、米原まで名鉄と新幹線を乗り継いで1時間、米原から特急しらさぎで2時間。計3時間の距離である。座りっぱなしではあるが、飛行機の欧州便のように身体が痛くなるほど…

圓楽とアントニオ猪木、立て続けに訃報。妻が「圓楽さん、びっくりやおね 」、翌朝に「猪木さんのことは知ってる？」と私に訊いたのがきっかけで知った。 「子どもの頃から見てた人が…」という月並みな表現しか出てこないが、それが率直な感情である。いや、…

高校世界史で、西欧と中国はひと通り習った。イスラーム世界も、ここ2年くらいの濫読でわかったつもりになってきた。最近気になるのは、それらに挟まれた地域である中央アジア（内陸アジア、中央ユーラシアなど呼称と対象地域は多様）。読書を通じて、なんと…

感想 3バカ＋1が好き勝手にしゃべる。それでクラスの雰囲気が和むとか、いい気分転換になるというなら良い。しかし、今日の授業を見た限りでは、彼らのせいで授業が進まなかったり、先生の話が聞こえなかったりで、他の子は困惑している様子。私にはほとんど…

所属部門へ2022/10/1付で異動してくるSさんを囲んでの穏やかな飲み会…かと思いきや。 部長の計らいで、初めてご一緒する人が3人もいた。 しかも、正面は社長である。 何を話したらいいかわからないし、会社の昔話は半分くらいしかわからないし。 陽キャの飲…

在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド ―東トルキスタンの真実 作者:ムカイダイス ハート出版 Amazon きっかけ 下川裕治のシルクロード旅行記で、ウイグル人に対する嫌がらせの一端を初めて知った。これはもう少しちゃんと知っておかないと恥ずかし…

アジアの誘惑 (講談社文庫) 作者:下川裕治 講談社 Amazon 感想 アジア貧乏旅行にまつわるエッセイ&ヒント集。ただし約30年前時点である。 貧乏旅行を傍から眺める読書は気楽で楽しく、ときどきクスッと笑える。気分転換に、コラムをひとつふたつ読むだけでも…

2022/8/29 16:30 ワクチン接種。注射の痛みはなく、一瞬で終わった。 夕飯は、8/29にちなんで焼肉。牛肉、豚肉をたらふく完食。 夜、若干の気持ち悪さと、だるさと、左腕の痛み。 2022/8/30 夜中、わずかに気持ち悪さ。 朝、発熱なし。 午後、倦怠感が若干。…

ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅 (中経の文庫) 作者:下川 裕治 KADOKAWA Amazon 感想 はからずも、近年のウイグル人問題を初めて具体的に理解することになったのが、最大の収穫である。まさか貧乏旅行記が国際問題の理解の端緒になるとは。 本書に…

UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ 作者:池内恵,宇山智彦,川島真,小泉悠,鈴木一人,鶴岡路人,森聡 東京大学出版会 Amazon 私が本書を選んだのは、まともな論文をまとめて読みたいと思ったからです。正直、ツイッターにあふれる自己主張の強い言説にはウン…

流浪の月 (創元文芸文庫) 作者:凪良 ゆう 東京創元社 Amazon きっかけ 本屋大賞受賞作なら間違いはないだろうという期待と、映画版の広瀬すずのビジュアルに誘われ、中古の単行本を注文した。 感想 女の子の気持ちをよくここまで細かく丁寧に表現を変えて描…

イスラム飲酒紀行 (講談社文庫) 作者:高野 秀行 講談社 Amazon 本の紹介 準アル中を自認するフリーライターが、イスラーム世界で酒を楽しむべく格闘・奮闘するノンフィクション。 心を動かされたこと まず、自分と同じ酒好きが存在することに安心した。とい…

Xenoblade3(ゼノブレイド3)|オンラインコード版 任天堂 Amazon 総評 ゼノブレイド3: ○視認性、親切設計、探索 ゼノブレイド2: ○ストーリー展開、演出 ゼノブレイドDE: ○フィールドの美しさ ゼノブレイドクロス: ○探索、爽快感 感想 グラフィックおよびユーザ…

バスの屋根から世界が見える (TRAJAL Books) 作者:下川 裕治 トラベルジャーナル Amazon 本の紹介 世界中の過酷なバス乗車経験談ばかり、日記風の読みもの計17本が楽しめる。 心を動かされたこと 読みながら、こっちまで身体が痛くなってくる。例えば、足が…

同志少女よ、敵を撃て 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon きっかけ 私が本書を選んだ理由は、次の2つです。 ①2022年本屋大賞受賞作だから。2018年の本屋大賞『かがみの孤城』が面白かったことから、本屋大賞自体に信頼感があったためです。 ②世界史に取材した…

日本共産党-「革命」を夢見た100年 (中公新書 2695) 作者:中北 浩爾 中央公論新社 Amazon 感想 難しい。と感じる理由は、私の知らない独特な用語が頻出するからです。まず共産主義がわからない。笑 共産主義と社会主義の違い、社会主義と社会民主主義の違い…

トルコ民族の世界史 作者:坂本 勉 慶應義塾大学出版会 Amazon 感想 圧倒的な読みやすさ！『イスラーム巡礼』でもそうですが、初学者でもつまづかずに読み進められる本は大事にしなきゃいけません。いま読んでいる『日本共産党』（中公新書）と比べると、その…

タリバン台頭: 混迷のアフガニスタン現代史 (岩波新書 新赤版 1920) 作者:青木 健太 岩波書店 Amazon 感想 私は、カルザイ大統領がアフガニスタンを導く稀有なリーダーだと認識していました。2012年にカルザイ大統領とタリバン代表の両者が同志社大学で云々…