漫画を読んで、身体が震えた。ぶるぶると。こんな経験は生まれて初めてだ。
それは20巻、山王工業戦の最終盤。ゴリが泣いたり、花道が背中に違和感を覚えたり、流川がパスを出すようになったり、それだけでもすでに感動と興奮で目が潤み、心拍が速くなっている。そこへ私が一番感動したのは、花道がボールへ身体を投げ出して拾い、流川へパスした場面。
花道が、流川に…!
既にセリフはない。漫画なのにセリフがない。なのに、選手たちの声と、歓声と、キュキュキュという小気味よいバッシュの音が脳内に響く。なんという感覚。
30年遅れのスラムダンク。私にとっては唯一無二、空前絶後の特別な読書体験となった。この年だから、ここまで感動できたのかもしれない。本当に素晴らしかった。ありがとうございます井上雄彦先生。