本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

成瀬は天下を取りにいく

 

2024本屋大賞。以前から題名と表紙のイラストが気にはなっていた。眼力のある女の子だ。この子が野球を始めて、プロ野球を目指す話なのかな、などと私は想像した。本屋大賞受賞を知り、どんな小説か知らないまま、出張先の金沢の書店で購入したのが本書である。

読み始めて10分ほど。止まらなかった。主人公成瀬あかりの意志の強さ、圧倒的な行動力にまんまと魅了されてゆく。惚れてしまう。自信がある上に、努力もする。なんでも実行してみせる。なのに、不快感はまったくない。こんな清々しいキャラクターには初めて出会った。彼女のセリフは、いつしか種崎敦美さんのフリーレンの声で脳内再生されるようになった。

くどくならない程度に織り込まれた滋賀ネタも絶妙だ。どれも実在する本物で、解像度が高い。と言っても私にはほとんどわからないのだが、地元民なら声を出して笑ってしまうだろう。私は大津市出身の知り合いに本書を薦めた。その方からの感想が楽しみだ。