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EU 欧州統合の現在[第3版]

 

EU[第3版]:欧州統合の現在

EU[第3版]:欧州統合の現在

 

どんな本?

  • EUの活動全体(歴史、政治、経済、外交、教育、文化など)を一冊で学べます。
  • 1987年から改訂を重ねてきた定評ある教科書であり、EUについての正確な知識を得るのに最適な一冊です。
  • この手の教科書にしては、文字が大きめで読みやすいのも好印象です。
  • この本は、実に16名ものEU研究者が執筆していますが、全ての章に共通する信念があります。それは、EUは進展するという、確信に近い期待です。
  • EUは過去に何度も危機を迎えた。しかし、臨機応変で弾力的な運用によって危機を乗り越え、深化と拡大を果たしてきた。だから、今後もEUは進展する、というわけです。
  • しかしながら、2016年以降のブレグジット問題は、その期待に反する結果でした。この事実について、研究者たちがどう考えるのか、私は強い関心を持っています。

きっかけ

  • 私がこの本を買ったのは、大学時代にEUやイギリス政治のゼミに在籍していた関係で、今でもヨーロッパに関心を持っているためです。
  • 大学2回生の秋、法律科目ほぼ全滅という崖っぷちに立たされた私は、科目登録が可能ならなんでもいいというやけっぱちな気持ちで「比較政治」という政治学科目を登録しました。
  • そうしたら、その講義がとてつもなく面白かったのです。法律科目を落としすぎて4年での卒業は無理かもと絶望していた私は、政治学科なら卒業できるかもと、希望を取り戻すに至りました。
  • その講義の内容が欧州統合の歴史であり、先生がEU研究を専門とする助教授(当時)でした。
  • 3回生になると同時に政治学科への転籍を果たした私は、他のゼミには目もくれずその先生のゼミに入ったというわけです。
  • そんなわけで、私はEUについて僅かな知識と関心を持っているのです。

補足

  • 2012年に出版されたこの本には、いわゆるブレグジット(Brexit)問題が載っていません。
  • 2020年3月に、待望の第4版が出ます。しかし、第3版の編者は、この本はあくまで学術書であり、ジャーナリスティックな内容は追わないと「はじめに」で謳っています。この方針は第4版でも不変と思いますので、ブレグジットに関する深い考察や解説はあまり期待できないと私は想像しています。
  • したがって、ブレグジットについて学んだり考えたい方は、他を当たるほうが無難でしょう。
  • 私が驚いたのは、その第4版の編者が、私の恩師に代替わりすることと、その恩師が今年還暦を迎える(た)ということです。先生へのお礼とお祝いの意味も込めて、新刊で買おうかと考えています。