本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

源氏物語

 

実に24年ぶり。高2の古典の授業以来の源氏物語である。きっかけは2024年の大河ドラマ『光る君へ』。ふと図書館で、これの予習復習をしておいた方がドラマを楽しめるよね、と思い立って1冊借りてきたのである。もっとも、大河ドラマ源氏物語ではなく紫式部の物語。源氏物語を知ったところでドラマを楽しめるのか、と疑問に感じながらの読書ではあった。

さて感想である。とにかく人物関係図で源氏から伸びる二重線の多いこと、多いこと。気になる女性・女の子に片っ端から手を出してしまう好色ぶりは、24年前と変わらない印象だ。帝の奥様にすら手を出してしまう倫理観の低さ(しかも複数人、妊娠も!)は、いかにやんごとなきお方で創作の世界であっても、21世紀のご時世では完全にアウトでしょう。こうも簡単に帝の奥さんに手を出せてしまう平安の都の皇居に、セキュリティやプライバシーの観念はなかったの!?

ところで、私は源氏物語を読みながら高2当時の古典の授業を思い出した。この24年間、ほとんど思い出すことのなかった古典のT先生の顔や話し方までかなりの再現度である。源氏物語は主語の省略がとても多いから、敬語表現で判断するしかないなんて言ってたなぁ。古文単語や文法もなんとなく蘇ってきた。まぁまぁ真面目に授業を受けていたことの証左であろう…。

今回初めて気づいたのは、途中途中で挿入される和歌のレベルの高さだ。高校生の頃は、和歌というと文法と解釈が特に難しく感じ、テストで点を落としてばかりいたから、苦手を超えて嫌悪感すらあった。しかし、テストとは無関係な今、心の余裕をもって読むとどうだろう。