本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

ウクライナ侵攻とグローバル・サウス

 

著者を知ったのは、大学3回生のとき。確か『アフリカ政治論』とかいう講義だ。京大の川端という先生が教室で映してくれたNHKの報道番組の中で、アフリカにおける紛争の現場の様子を伝えていた人だ。あれから20年経って、別府さんはNHKのキャスターになっているが、あの報道番組の印象の通り、彼は現場第一でそのための苦労はものともしない。仕事とはいえ、ヨハネスブルグウクライナの戦地を往復するなど、ジャーナリストとしての責任感がなければ続くまい。

本書はアフリカ駐在経験者ならではの、「サウス」側の視点を踏まえた説得力のある内容。対露制裁において、「西側」が一丸となる一方で、グローバルサウスは必ずしも一枚岩ではないとの指摘だ。私は「えっなんで!?なんでロシアの味方するの!?」と戸惑ってしまう。が、各国には各国の思惑がある。ロシアに味方することが自国の利益になる国もある。そう諭された。