本・ゲ・旅

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映画『ある閉ざされた雪の山荘で』


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30年前、私が初めて触れた東野圭吾作品の映画化。アマプラで視聴。

そういえばこんなあらすじだったなぁ、わりと原作に忠実だなぁ。

…以外の印象が出てこない。

原作はもっとドキドキハラハラした記憶がある。殺人は本物なの?それとも演技なの?特にクライマックスの”「私」を見た”を読んだときの「えっ、どういうこと!?」という驚きと「これから何が起きるの!?」という緊張感。当時小4の私は、「すげぇ…これが本物の推理小説か!」と興奮し、東野圭吾という作家が脳裏に刻まれたのだ。

これに対し本作品は、あまりに演出過少で、波がなく淡々と話が進む。思い返してみると、特に引っかかるのは、たびたび登場するビデオカメラの監視映像と、真上から見た館の見取り図、それに大きな鏡。いかにも「ここにいない誰か」を推測させる思わせぶりな見せ方だ。視聴者が原作で体験した騙される快感を奪っていると言っても過言ではない。