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【メモ】ロシアがウクライナへ侵攻

大学で国際政治学を学んで以来、常に興味関心だけは持っていたつもりで、書籍も僅かながら読んできた。にもかかわらず、ウクライナ情勢を知った妻の「なんで戦争するのかな」という素朴な疑問に対し、それらしい説明の一つもできないことが判明した。いったい、これまでの私の読書はなんだったのか、なんにも身についていないではないかとただただ呆れている。

ロシアがウクライナへ侵攻したとのニュースを知って、自分が考えたことといえば、この程度である。

  • まさか本当に侵攻するとは。ロシアは侵攻の正当性を何と主張しているのだろうか。
  • 背景は何だろうか。経済的な損得なのだろうか。例えば、ウクライナはヨーロッパ有数の小麦の生産地と聞くが、それはロシアの判断にどの程度の影響を与えただろうか。
  • 1939年当時、英仏がチェコスロバキアを犠牲にした宥和政策と今回の件は相似しているのだろうか。
  • 国連に何ができたか。また、これから何ができるか。
  • 日本にとっては、対岸の火事なのか。
  • 日本は国家として何をすべきか。NATO側に立ち、補給や輸送の面で後方支援すべきか。それとも、金銭的に支援すべきか。あるいは。
  • 善悪の判断はさておき、まずは武力紛争を停止させることが最優先。

「本当に侵攻するとは」と驚いた理由は、ロシアが大国だからである。私の理解では、大国になればなるほど自国の主張を通すことが難しくなる。政治的・経済的なしがらみが強くなるし、行動を誤ればより大きく自国に跳ね返ってくるし、他国による牽制や圧力も激化するからだ。だから私は、ロシアといえども、まさか他国を侵攻することはあるまいと呑気に傍観していたのだが、にもかかわらず、である。

3/6 追記

  • 西側が軍事的な支援をためらうとは思わなかった。
  • ロシアが悪いというのは概ね同意。かと言って、ロシアが100%悪で、ウクライナが100%正義とは限らない。
  • 美談や胸糞悪い話の類は、プロパガンダだと思って疑ってかかるべし。
  • 悪いのはプーチンとその取り巻きであって、一般のロシア人を一括りにして誹謗中傷することがあってはならない。

3/20 追記

  • NATO軍や米軍が対抗しない限り、ロシア軍は侵攻をやめない。やめる理由がない。
  • しかし、ウクライナNATO加盟国ではないし、アメリカの同盟国でもないので、集団的自衛権を行使する条件に該当しない。
  • これだけウクライナの惨状が報道されながら「西側」が正義を理由に参戦しないのは、ウクライナ側に立って参戦するほどの死活的な利害がないということだろうか。
  • あるいは、ウクライナ国民には気の毒だけど、ウクライナ国民のために犠牲になるのは御免だということか。
  • これを見越してロシアが侵攻を決断したならば、ロシアからすればプーチンの判断は「正しかった」となる。
  • 懸念は、米国にとって利害の薄い地域なら侵攻しても米国は介入してこない、という確信のもとに軍事攻撃を画策する国家が現れることだ。
  • 「西側」の報道には、子どもや女性が多数犠牲になったとの心痛むものが多い。もちろん、無抵抗の市民に対する攻撃は国際法で禁止されている。しかし、軍人、兵士もまた帰りを待つ家族のいる国民。報道に触れるたび、軍人や兵士なら殺してもいいのかと疑問を抱いてしまうのは、平和ボケした愚かな発想なのか…。
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3/31 追記

  • 侵攻から1ヶ月以上経ったが、戦争は集結していない。
  • このことについて、小泉悠先生はロシア軍の見通しのまずさを指摘していた。ロシア軍の限られた戦闘能力を3方向に分散したことから、ウクライナを甘く見ていたのだろうが、ロシアが想定していた以上にウクライナ軍がよく耐え、効果的に反撃して押し返しているとのことだ。
  • 一方で、軍事や安全保障という極めて専門性の高い分野に対し、専門外のコメンテーターや芸能人が気安く論評することに対し、一部で批判や怒りの声が上がっている。
  • 私は、それは今に始まったことでもなければ、軍事や安全保障に限った話でもなく、何をいまさら・・・と呆れつつ、「そっ閉じ」するように心がけている。
  • フェイクニュースにも依然気をつけなければいけない。
  • もう一つ小泉悠先生がおっしゃっていたことで記憶に残ったのは、「ロシア政府は撤退した外資の設備を接収したり知的財産権を勝手に利用してもよいとしているが、こんなことしておいて、将来また外資が来てくれる訳無い」とのコメント。
  • ロシアはこうして、政治だけでなく経済でも信用・信頼を失ってゆくのだなぁ・・・。

2022/4/19 追記

  • ウクライナ軍が個々の戦線で持ちこたえ、主要都市ではロシア軍を押し返しているとのこと。それは良いニュースであるのだが、小泉先生はロシア軍が戦況を逆転させるために核を含む大量破壊兵器を使用する可能性もあると述べていた。自国の防衛に成功しても失敗しても、ウクライナは国土を破壊されてしまうのか。

2022/5/9 追記

  • ウクライナに味方する国々の総称として、「西側」というやや古めかしいワードが定着しているようだ。このことに私は驚いている。私の中で「西側」は、歴史用語に昇格(降格?)したものと認識していたからだ。
  • しかし、東西という地理的な区分は適切でないように私は思う。ロシア、中国、北朝鮮などの専制国家と、民主国家との対立と考えるのが自然ではないか。
  • 覇権や勢力均衡といった、伝統的な国際政治の用語が想起される。

2022/5/30 追記

  • マリウポリでロシア軍が勝利して以降、ウクライナがロシア軍に対して優勢であるとの報道が減っているようだ。
  • ロシア軍は兵器が旧式な上、戦術でも劣る。その上プーチンが戦術の細部にまで口を挟んで、指揮命令系統を混乱させている。だからロシア軍はイメージに相違して大したことない、恐るるに足らずだといった、ロシア軍弱体論が4月までは目立っていた。その印象が最近はない。
  • ウクライナの被害、胸を打つ悲しいニュースも次々に報じられるようになった。

2022/8/29 追記

  • 侵攻開始から半年。恥ずかしいことに、私の関心は薄れていった。○○疲れというやつである。
  • 同じようなニュースの繰り返しで、ロシアがいっこうに退かない。いったいいつ終わるの?まだ続いてるの?そんな愚問が湧く。
  • こんな長期戦になるとは思っていなかった。でも、半年後にまだ戦争が続いているとしても、大して驚かないだろう。