本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

バレエの世界史

 

「バレエの歴史を世界史の流れに沿って描く」

これを読んだらバレエが○倍楽しくなる!的な一般受けを狙った軽い本がベストセラー入りするのは世の常ですが、本書はそういうエンターテインメント性の強い本ではありません。バレエの技巧や個別の作品には深入りせず、史実の紹介と解説に徹している点で、あくまでアカデミックな書籍であり中公新書らしい構想と品質です。20世紀におけるバレエの拡がりで、アジア、アフリカ、オセアニア地域に言及しているのは新鮮。もし自分が高校生のときに本書を勧められたとして、どハマリしてたかというと、それはないなと思います。「茶の世界史」を筆頭に「○○の世界史」が雨後の筍のように出版されたけど、これはあくまでバレエに興味関心のある人向け、マニアックな一冊です。