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物語 イタリアの歴史

 

物語イタリアの歴史―解体から統一まで (中公新書)
 

きっかけ

2019年7月、私は海外出張でイタリアへ行く機会を得ました。36歳にして、生まれて初めてのイタリア訪問です。しかし、高校世界史で得た知識はすでに忘却の彼方。このままイタリアを訪れても、ただの海外出張で終わってしまいます。それではいけない、何か手軽に読める本はないだろうかと探したところで買い求めたのが本書でした。

どんな本?

イタリアに統一国家が存在しなかった約1500年間を歴史=物語として記述しています。著者は本書で、前面に10人の人物を置き、それによって各時代のイタリア社会のパースペクティヴを確定したかったと「あとがき」で述べています。

著者は?

  • 藤沢道郎
  • 1933年京都生まれ。1957年、京都大学文学部卒業、同大学院文学研究科言語学専攻博士課程修了。桃山学院大学教授を務め、定年となり名誉教授。専攻は、イタリア史、イタリア文学。2001年逝去。

感想

  • これは、評論ではなく小説と分類されるのが自然です。新書ではなく、文庫版で読みたかったなぁ。それくらいに、文章が流麗で読者の想像力を掻き立てるということです。硬派な中公新書のイメージには合わない。笑
  • 人物伝を通じて歴史を知る、というアプローチは好きです。半分くらいは知らない人(世界史の教科書には登場しない人)なのでピンときませんが、有名人ばかりでは他との差別化が難しいでしょうから、しょうがないと思うことにします。