きっかけ
私にとってドラクエ3は原点です。というのは、SFC版3が初めて最初から最後まで自力で進めてクリアしたドラクエであり、ドラクエ音楽に熱中するきっかけとなった作品だからです。
SFC版3は、言わずと知れた傑作リメイク。世の中に数あるリメイク作品の中でも最高傑作のひとつとして、発売から20年余りを経過した現在もファンの間で語り継がれるほどです。発売当時、すでにプレイステーション、セガサターン、ニンテンドウ64が覇を競い合っていましたが、SFCの性能を大いに発揮したグラフィックの美しさや優れた操作性、高品質な音色は、150万本の大ヒットにつながりました。
Nintendo Switch版(以下SW版)である本作は、そのSFC版をベースに移植したスマホ版の移植版、とのことです。「すごろくがない」と一部ファンからは不評のようですが、もとよりすごろくに興味のなかった私はその点をマイナス材料と評価していません。『ゼノブレイドDE』までのつなぎとして、30%オフのセールを機に購入しました。
結論
結果、「しんりゅう」に到達するまで約20時間、SW版はつなぎとしての役割を立派に果たしてくれました。
美麗な3Dムービーも追加ストーリーもありませんが、原作を知る世代は「これでいいんだよ」と十二分に満足することまちがいなし。オススメです。
気づき
交響組曲版を基にしたゲーム音源のため、場面によってはFC版ともSFC版とも異なるBGMを楽しむことができます。BGMとしての質は高いので、すぎやまこういち先生の監修が入っているかもしれません。なお、主な気づきは下記の通りです。
- 街…前奏から始まる
- 戦闘のテーマ…トランペットの音色がSFC版に比べて良く、甲子園の吹奏楽部の迫力ある演奏を聴いているかのよう
- 戦いのとき…前奏から始まる
- アレフガルドにて…FC版、SFC版、交響組曲版のどれと比べてもゆっくり
- アレフガルドの街…同上
- 貴重なアイテムの入手…「当たり」の音楽
- バラモス城、ゾーマ城…SFC版で追加された「ゾーマの城」ではなく通常の「ダンジョン」が流れる
細かなところで操作性への配慮が行き届いておらずもったいないと感じました。主な気づきは以下の通り。
- どうぐを続けてふくろに入れたいときに、SFC版だとカーソルが「わたす」に固定されるが、SW版では一回ごとに「つかう」に戻ってしまうので、都度「わたす」に下げる必要がある。また、どうぐをまとめてふくろに入れたいときに、「ぜんいん」がないので、一人ずつ操作する必要がある。
- SFC版ではXボタンがコマンドだったと思うが、SW版では地図を開くになっているので、間違えて地図を開いてしまう。キーコンフィグがないので、これを切り替えることもできない。
- 「つよさ」コマンドに「ぜんいん」がないので、移動中に全員のHP/MPが最大値と比べてどれくらい減っているかを知るすべがない。よって、回復にホイミとベホイミのどちらを使うのが適切か、を判断することができない。
感想
- 疑似オープンワールドとはよくいったもので、行ける世界が増えると、「こっちに行ったら何があるかな?」と好奇心がくすぐられてついつい先へ進んでしまいます。そして、突然現れた強敵にボコボコにされ全滅…。「クッソ!」と悔しがりつつ、レベル上げしたり武器防具を更新したりして再挑戦し、リベンジを果たした時の達成感…あれ、この展開、ブレスオブザワイルドとまるで一緒じゃないか。DQ7、DQ8、DQ11は、プレイヤーが迷わないようにとマップが巧みに断捨離され、出現する敵モンスターも調整されていたように思いますが、プレイヤーの自由な意思でどこへでも行けちゃうドラクエもいいものだなと楽しみました。
- 今回、初めて「あそびにん」を初期パーティに入れました。職業紹介では「全然使い物にならない」的な言われ方をされているので、いったいどんだけしんどい旅になるのかと心配しました。しかしいざ使ってみると、それなりにHPはじめステータスは高いし、戦闘中のおふざけも大したことありません。これでレベル20になったら賢者に転職できるのは、むしろお得です。
- 世界史好きとしては、世界史を想起させる地名、人名、シナリオに興奮が高まります。
- ドラクエでは、人々がいかに魔王に苦しめられているかが何度も何度も語られる、という印象があります。しかし今作では、バラモスの名がほとんど印象に残りませんでした。なので、バラモスを目の前にしたとき、どうしてバラモスを倒さないといけないんだっけ?とふと正気に戻ってしまいました。