本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

【番外編】歯医者へ行った話

歯医者にかかりました。

きっかけ

奥歯が欠けたこと。

小学校の時を最後に、一つも虫歯なしで生きてきた私。食生活レベルが極端に低下したであろう、大学〜独身時代でさえ、歯医者さんにお世話になったことは一度もありません。自分の歯はたくましく強いのだ、とひそかに自慢にすら思っていました。

そんな私の歯が欠けたのは、10月はじめのこと。子どもの弁当の残り物であるすみっこぐらしウインナーを食べていたら、突然ガリガリッと固いものが口の中に現れたのです。

「えっ!?んっ!?」

びっくりした私は、慌てて口の中のものをティッシュの上に出しました。そこには、噛んで潰れたウインナーと、ウインナーとは明らかに違う、何か白いものが混じっていました。

「何?」

私は、異物混入を疑いました。ウインナーの中から、石か何かが出てきたのだろうと思ったのです。メーカーに問い合わせたら、どうなるんだろう。お詫びに同じ商品が届くのだかな。ひょっとして、大きなニュースになっちゃうんだろうか。いやそもそも、こんな大きなものが製造過程で混入して、しかも発見されずに出荷されるものだろうか。そんなことが頭をよぎりました。

しかし、数十秒後、私は違和感を覚えました。

何か変だ。

なんか変な感じがする。

口の中、歯がなんかいつもと違う。

私は慌てて、洗面台に走り寄りました。そして違和感のあるあたりを鏡で覗き込んでみて、私は目を見開きました。

歯の形がおかしい!

「うそぉ!」と鏡に映った自分に叫びました。奥歯の一部が、えぐり取られたような形をしているのです。自分の歯の異変と、さっき口から出てきた石のような白いものとが繋がるまで、さらに数秒を要しました。

「歯か!」

私はようやく、自分の歯に何かが起きたことを理解したのです。

 

小中の同級生で、お父さんの跡を継いで歯医者をやっている友人にLINEで相談したところ、「歯医者に行け」という結論でした。そこで私は、まず家族が通っている歯科に電話しました。

「あのー、歯が欠けちゃったので、ちょっと見ていただきたいと思ってお電話したのですが」

「いつがご希望ですか?」

「土曜日はどうですか?」

「そうですね…10月31日まで予約が埋まってまして…」

「えぇーーっ…!」

3週間先まで埋まっているとは、よっぽど繁盛しているようです。歯医者ってそんなに儲かるのかと衝撃を受けました。

「じゃあ金曜日は?」

「金曜日は…、金曜日も来週までいっぱいです。」

「そうですか…(苦笑)わかりました、また改めます。失礼します。」

私はたじろぎながら電話を切りました。まさか歯医者の予約が取れないとは思ってもみなかったのです。しかし、この歯の状態を3週間も放置しておくわけにはいきません。私は近所の別の歯科に電話をかけました。現住所へ引っ越してきた直後、近所に何があるかを把握するために散歩していたところ通りがかった歯科で、たまたまそこにいたおばさんが「ここの先生は評判いいよ」と褒めていたのを覚えていたのです。(見ず知らずの人に話しかけるあたりが田舎だなぁ)

その歯科に電話をかけ、翌週の水曜日に無事予約を取ることができました。

夕方、子どもたちに歯が欠けたことを話しました。彼女たちは、驚いた様子でした。「パッパ、歯がないの?」「痛かった?」と興味半分、怖いの半分といった感じで私の口を凝視しています。