きっかけ
副題にある「どうして戦争をしたのか」という問いが、まさにおれの長年の疑問そのものじゃん、と興味をそそられました。
感想
- ですます調なら読み易く頭に入るだろうと期待していました。しかし、話し言葉をそのまま文章にしたものには、欠点もあると知りました。それは、説得力が劣るということです。書くのとは違って言葉を十分に吟味できないためか、言い回しが平凡な表現に留まっていたり、回りくどいと感じたりしたのです。特に北岡伸一。
メモ
- 大正期の世界は、要するに英米のリードする世界であり日本はそれに協調することにより列強の一角を占めていた。
- 北一輝の独自のアジア解放論とは、国内的に平等主義的な社会主義的改革を実施した上で、国際的にも平等主義を実現するために、極端に不平等な植民地支配を受けているインドなどのアジア諸国を日本民族が解放して、イギリス・アメリカの世界支配を覆すという主張である。
- 第一次世界大戦後、日本では大規模な陸軍軍縮が2回行われた。この結果、約3400人の将校が突然無職となった。若い青年将校たちは、自分たちの存在意義に悩み始めた。
- 海軍の青年将校たちが起こした五・一五事件の意義はその後の裁判の方にあった。公判の様子が大々的に報道され、青年将校たちが英雄視されるような風潮を現出したからである。
- 陸軍は長州閥と九州閥が対抗する2大派閥で進んでいった。
- 陸軍内部では、永田鉄山を中心とする日本を高度国防国家に向けて作り変えていこうとする「統制派」と、日本国内の平等主義的変革を進めようとする青年将校グループの「皇道派」が対立していくことになった。