本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

戦火の欧州・中東関係史

 

東洋経済新報社から出版されているだけあって、私がこれまでに読んできた歴史書とは少し雰囲気が異なる。

私が感じたのは次の2点。1点目は、やや刺激的で強い言葉を選んでいる点だ。例えば、分解、黙従、歪んだ二重基準を無理やり呑まされてきた、力によってねじ伏せられてきた、など。もう一点は、説明がやや短絡的な点。「○○なのは、〜したからだ。」と簡単に言い切ってしまう。

いずれも、歴史に疎い一般層を想定した工夫なのだと思う。一般層には「わかりやすい」と受けるだろう。経済誌が国際政治の本を作ったらこうなります、ということだ。

少し嫌味っぽくなったが、改めて読みなおすと、まるで優れた世界史の授業を聞いているようで、すらすらっと進めてしまう。深さはない。しかし、200年の中東の歴史を知る、あるいは学び直す最初の一歩には適書である。ここから興味のある点を掘り下げていけばよい。