本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

パレスチナ現代史 岩のドームの郵便学

 

きっかけ

パレスチナ紛争が激化している。特に、ガザ地区の現状は悲惨だ。 「病院空爆で●00人死亡か」「新生児の保育器の電源切れる」な どのニュースを目の当たりにして、どう考えてもイスラエルはやりすぎだろう、何がそこまでさせるのかと困惑する。そこで、「パレ スチナの歴史をもう少し理解したい」と考えた私は、1ヶ月ぶりに 岐阜市立図書館を訪れ、「歴史」のコーナーでたまたま本書を見つけた。

感想

切手と共に歴史を紐解く、お手軽・平易な読み物かなと思いきや、 中身は本格的なパレスチナ政治史。良い意味で意外である。
パレスチナの歴史は暴力による報復の応酬。特に私にとって大きな発見だったのは、時折、経済的な疲弊や米国の介入などで和平が試みられるものの、その和平を望まない国や勢力が登場し、新たな紛争に発展することだ。私は、シーソーがいくつも繋がっていて、一つのシーソーで傾きが変わると、連鎖的に隣のシーソーの傾きが変わったり揺れたりし、時には乗っている人が落下する様子を思い浮かべた。

この地域は過去100年間紛争が続いている。無論、 戦争、紛争を開始するのは国家や武装組織であるが、その根本には 親兄弟、子どもを殺されたという怒りの記憶があり、それが和平を許さないのかもしれないと想像した。
パレスチナと聞くだけで、私はどこか遠い世界の話と“他人事化” してしまう。加えて、この地域は複雑の極みだ。関心を続け理解を 維持することは、努力を必要とする。が、今起きていることを理解できるよう、ニュースや書籍に継続的に触れなければならないと思っている。