きっかけ
RPGがやりたい。
しかし。
最近のゲームは、「○○○時間超の大ボリューム！」「無限のやりこみ要素！」がスタンダードになっているようです。私はこの状況を、ゲームの制作側がいわばコスパを高める方向でプレイヤーの期待に応えてきた結果と捉えています。実際、YouTubeのゲーム実況動画を覗くと、クエストや錬金や仲間の育成といった要素を信じられないほど徹底的にやりこんでいるものが少なくありません。
しかし、私にはそれらのめり込むまでのハードルが高すぎて、さっさと諦めてしまうのです。率直に言って、最近の複雑なRPGは、おっさんゲーマーには無理なのです。
昔ながらの、おれでもできるとっつきやすいのはないかしらん？
そう思って探すうちに、FFシリーズの旧作がSwitchで発売されたことを思い出しました。そういえば、発表時には大本営ニンテンドーダイレクトで大きく取り上げられたな、という記憶がありました。
しかし最初は、FF自体に拒否反応、というか食わず嫌いをしました。その理由は言うまでもありません。1990年代半ば、任天堂を裏切った旧スクウェアに対する、癒やし難い恨みです。
裏切った、恨みだ、なんて大げさかもしれません。たしかに。しかし、当時中学生だった私は厨二病真っ盛り、NINTENDO64そして任天堂という会社そのものを偏愛していました。
当初スクウェアは、ロクヨンでFF最新作を発売すると発表し、実際に開発画面も公開されていました。このことから私を含む世の任天堂ファンは、FF最新作がこのまま発売されれば、当時劣勢にあったロクヨンが息を吹き返し、ファミコン、スーファミから続く家庭用ゲーム機王者の地位を奪い返すと信じていました。いや、任天堂ファンのみならず、世間一般がそう見ていたはずです。そのFFが突然、ソニー・プレイステーション陣営に寝返ったのです。これにより、ロクヨン、プレイステーション、セガサターンの三つ巴の次世代ゲーム機戦争は、プレイステーション陣営の覇権が確定し、任天堂はWiiが大ヒットするまでの約10年、業界二番手、三番手の屈辱を舐めることに…。
ずいぶんと前置きが長くなりました。その積年の負の感情を乗り越え、かつての憎きスクウェア制作のFF9を買ってしまったのはなぜか？
それを整理してみると、
- セールの対象だった。金欠サラリーマンゲーマーにとって、たとえ数百円でも割引があるのはデカい。金額以上に、精神的な意味合いが大きいのかもしれない。ちなみに今作の場合、2,500円が20%引きの2,000円だった。
- 王道RPGと紹介されていた。おじさんゲーマーには、わかりやすいのが何より。というより、わかりやすくないと、お話もシステムも頭に入ってこない。結婚だの錬金だのスキルだのと、本編以外の要素がてんこ盛りの今どきのRPGは、面白いか面白くないか以前に無理ゲーなのである。
- レビューサイトの評判が良かった。前述の理由により、2000円の支出にも慎重な私。FFにまったくなじみのないおっさんが買っても大丈夫か？最後までクリアできそうか？不安先行型の私は、いくつものレビューを熟読し、かつ再読した。そして、いくつものレビューが太鼓判を押すのを確認して、これでダメならしょうがないと吹っ切れたのだった。
たかだか2,000円のゲームを買うのにそこまで慎重になるか？といぶかる向きがあるかもしれません。が、私の金銭感覚は、常にこのレベルの敏感さを誇っているのであります。
Good point
- コミカルで重たくないストーリー。FFはGBAで1（クリア）と2（未クリア）、DSで3（クリア）をプレイしたことがあります。が、正直ストーリーは完全に記憶から抜け落ちています。ただ、2が異様に暗かった印象が強くて、それがFF全体のイメージにもなっていたようです。しかし、FF9は主人公たちの掛け合いがとてもほんわかしています。王道RPGと聞いて私がイメージする、伝説とか、秘宝とか、帝国の興亡とか、そういうものは出てこない。そこが意外で、重厚なストーリーが苦手な私には良かったです。
- 高速クリアのためのオプション。
ここがちょっと…
- 操作できない時間が長すぎる。このゲームでは、キャラクター間のやり取りを見てストーリーを進めるために、Aボタンでセリフを送る必要があります。それはどのゲームでもあることです。ただ、その時間がながすぎて、ゲームしてる感がありません。ストーリーを進めるために、ひたすら
- フィールド移動時に方角がわからなくなる。
