きっかけ
読もう、読もうと思いながら、本棚の肥やしになっていましたが、中公新書『ホロコースト』を読み終えた勢いで、ようやく本書に向かうことができました。
感想
- 幻想的な物語を予感させる書名と、そこに記された想像を遥かに超越する絶滅収容所の様子との落差。知識としては知っていてもなお、うちのめされます。
- 何にうちのめされるのか?それは、自分には到底耐えられないであろう環境に加えて、人間の狡猾さ、残酷さです。
- もし自分が収容されたら、死んだほうがましと絶望し、さっさと殺してくれと係官にすがってしまうかもしれないと想像しました。何年もの間、何の根拠もなく未来を信じ続けることは、私にはできないでしょう。
- どこかで目にした、『生き残った人間にまともな奴はいない』という生存者の声を思い出しました。
- これがわずか76年前に存在していたのですが、しかしその後も人間による残忍な仕打ちの例は、枚挙に暇がないほど存在します。例えば、スターリンによる大粛清、毛沢東時代の大躍進政策、等々。
- ただ、ソ連にしても中国にしても、最初から異常な国家ではなかったはず。いったい、どこで道を違え、狂った方向へ突き進んでしまったのか?
- 歴史を学ぶ目的は、人類が同じ過ちを繰り返さないようにするためである。そのことを痛感しました。
- 私物を断捨離していたら、こんなものが出てきました。