本・ゲ・旅

歴史や政治を中心に本の要約を紹介します。たまにゲームレビューも。

香港

 

きっかけ

2018年だったでしょうか。海外出張で香港に数日間滞在した私は、尖沙咀の人混みや英語と広東語の混在する街並み、中国・深センと香港を結ぶ新幹線の巨大な新駅などにただただ圧倒されました。そんな香港のことをもっとよく知りたいと思い、本書を購入しました。

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著者は?

倉田徹

  • 1975年生まれ。
  • 2008年東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。2003~06年に在香港日本国総領事館専門調査員。金沢大学人間社会学域国際学類准教授を経て、立教大学法学部政治学科教授。専門は、現代中国・香港政治。

張 彧暋

  • 1977年生まれ。
  • 2010年香港中文大學大学院 研究院社会學研究科卒業。香港中文大學勤務を経て、立命館大学国際関係学部国際関係学科准教授。

どんな本?

2014年秋、大都市の中心街を市民が79日間も占拠した香港の雨傘運動。この選挙民主化要求は、軟着陸した中国返還後、金融危機で逆転した経済の「中国化」への猛反発だった。一国二制度の成功例「ノンポリ国際都市」は、なぜ政治に目覚め、何を求めるのか。日本と香港の気鋭が歴史背景と現代文化から緻密に解説する。

メモ

  • 香港の正式名称は、「中華人民共和国香港特別行政区」である。
  • 「積極的不干渉主義」を採る香港政府は、市場への介入を最大限回避してきた。一方で香港の政治体制は、「現状維持」の方針の下、イギリス植民地期の体制の枠組みが基本的に維持されている。
  • 香港はその政治体制の基礎として、独自の「ミニ憲法」的存在である「香港特別行政区基本法」を持つ。
  • 香港政府の長は行政長官、立法機関は立法会と称される。立法会は全議席が選挙で選ばれており、半数の議席では18歳以上永住民による普通選挙が実施されている。
  • 法体系は基本的に英米法であり、司法の独立が保障される中、政府に不利な判決や司法判断も日常的に出ている。
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